【知らないと損】事務所の内見でプロが必ずチェックする10のポイント

はじめに:なぜ内見の「プロの視点」が重要なのか?

事務所の内見では、つい間取り図通りの広さがあるか、内装は綺麗か、窓からの眺めは良いか、といった点に目が行きがちです。もちろんそれらも大切ですが、実際に業務を開始してからの快適さや生産性を左右するのは、もっと実務的で細かい部分に隠されています。

これからご紹介する10のポイントは、私たち不動産のプロが、お客様の事業内容や働き方をヒアリングした上で必ず確認する項目です。これらを知っているだけで、内見の質が格段に上がり、失敗のリスクを大幅に減らすことができます。


プロが必ずチェックする10のポイント

1. コンセントの位置・数とOAフロア

デスク周りの配線は、オフィスの見た目と機能性を大きく左右します。

  • チェック内容:
    • デスクや複合機を置きたい場所に、十分な数のコンセントがあるか?
    • 床下に配線を収納できるOAフロアになっているか?
    • 将来、人員や機器が増えた際の電気工事は可能か?
  • なぜ重要か?:OAフロアなら、どこにデスクを置いても足元の配線がスッキリし、レイアウトの自由度が高まります。コンセントが不足すると、延長コードだらけの見苦しいオフィスになってしまいます。
2. インターネット・通信環境

今や電気・水道と同じレベルの重要インフラです。安定した通信環境は必須です。

  • チェック内容:
    • どの会社の光回線が引き込み済みか、または新たに引き込み工事が可能か?
    • 各キャリア(docomo, au, SoftBank, 楽天モバイル)の携帯電話の電波はしっかり入るか?
  • なぜ重要か?:建物の構造によっては、特定のキャリアの電波が入りにくいことがあります。オンライン会議が主流の今、通信の安定性は死活問題です。
3. 空調設備の種類と効き

従業員の集中力や健康に直接影響します。

  • チェック内容:
    • フロア全体を一括で管理する「セントラル空調」か、部屋ごとに調整できる「個別空調」か?
    • セントラル空調の場合、稼働時間(例:平日9時〜18時など)の制限はあるか?時間外の利用は可能か、追加料金は?
  • なぜ重要か?:残業や休日出勤が多い業種でセントラル空調だと、時間外は空調が止まってしまい劣悪な環境になる可能性があります。
4. 共用部の管理状態(トイレ・給湯室・エレベーター)

従業員の満足度はもちろん、来客時の企業イメージにも関わります。

  • チェック内容:
    • トイレは男女別か?清潔に保たれているか?数は十分か?
    • 給湯室の清掃状況や設備はどうか?
    • エレベーターは何基あるか?朝の通勤時間帯に混み合わないか?
  • なぜ重要か?:特に女性従業員はトイレの清潔さや仕様を重視します。また、毎朝エレベーターで長蛇の列ができるようなビルは、日々のストレスにつながります。
5. 搬入出経路とエレベーターのサイズ

意外な盲点ですが、移転当日やその後の業務で非常に重要です。

  • チェック内容:
    • オフィスのデスクや複合機が問題なく通るか、共用廊下やドアの幅を確認。
    • エレベーターの扉の高さ・幅、奥行きは十分か?
  • なぜ重要か?:「契約したのに、使いたい大型什器が搬入できない」という最悪のケースを避けるためです。移転時に想定外の追加費用がかかることもあります。
6. セキュリティ体制

企業の機密情報や資産を守るための重要な項目です。

  • チェック内容:
    • ビルのエントランスはオートロックか?
    • 24時間入退館は可能か?その際のセキュリティシステムは?(機械警備、カードキーなど)
  • なぜ重要か?:スタートアップなどで夜間や休日の作業が多い場合、24時間入退館可能かは必須条件になります。
7. 天井高と開放感

同じ面積でも、天井の高さで体感的な広さや開放感は大きく変わります。

  • チェック内容:
    • 実際の天井高は何メートルか?(一般的には2.6m以上あると開放的に感じられます)
    • 梁(はり)が下がってきていて、圧迫感がないか?
  • なぜ重要か?:天井が低いと圧迫感があり、働く人の心理的なストレスにつながる可能性があります。クリエイティブな業種などでは特に重視されるポイントです。
8. 騒音・振動・臭い

集中できる執務環境を確保するために確認しましょう。

  • チェック内容:
    • 前面道路の交通量や、鉄道が近くを走っていないか?
    • 上階や隣のテナントからの足音や振動は気にならないか?
    • ビル内に飲食店が入っている場合、臭いや排気の問題はないか?
  • なぜ重要か?:一度気になり始めると、騒音や振動は業務の集中を大きく妨げます。可能な限り、実際の業務時間に近い時間帯に内見するのが理想です。
9. 駐車・駐輪場の有無と料金

車や自転車を利用する従業員や来客がいる場合は必須の確認項目です。

  • チェック内容:
    • 敷地内や近隣に月極駐車場はあるか?料金はいくらか?
    • 来客用のコインパーキングは近くにあるか?
    • 駐輪場はあるか?無料で使えるか、登録制か?
  • なぜ重要か?:営業車を多用する会社や、自転車通勤を推奨している会社にとっては、オフィスの利便性を左右する重要な要素です。
10. 看板の設置場所とルール

企業の「顔」となる看板。どこに、どのような形で出せるのかは重要です。

  • チェック内容:
    • ビル外壁やエントランス、集合ポストなどに看板を設置できるか?
    • 設置できる場合、サイズやデザインに関する規定はあるか?
  • なぜ重要か?:来客が多い業種の場合、分かりやすい場所に看板を出せないと、お客様を迷わせてしまう可能性があります。ビルの景観ルールで厳しい制限がある場合も多いため、必ず事前に確認しましょう。

まとめ

事務所の内見は、単なる「下見」ではなく、未来の働き方をシミュレーションする重要な機会です。今回ご紹介した10のポイントを参考に、ぜひ複数の視点で物件をチェックしてみてください。

また、内見は一人で行くよりも、経営者、総務担当者、現場の従業員など、異なる立場の複数人で行くことをお勧めします。それぞれの視点から意見を出し合うことで、より多角的に物件を評価することができます。

私たち福岡AI不動産では、お客様の事業が成功するための最適なオフィス探しを、プロの視点から徹底的にサポートいたします。福岡での事務所探しでお悩みの際は、いつでもお気軽にご相談ください。

お問い合わせ

物件に関するご質問やご相談はお気軽にお問い合わせください。